Topic 1
光共振器中の低温原子を用いた
「量子光源」開発
量子力学の性質を利用した従来技術の限界打破への期待が高まる量子情報処理や
量子計測においては、光の量子状態を自在に生成できることが 鍵となります。
当研究室では、レーザー光により数十μK程度にまで冷却され、光共振器中に捕捉された原子集団を用いて、
光子数状態や量子もつれ状態を 含む様々な光の量子状態を単一の実験系において生成することのできる
「量子光源」の実現を目指しています。
Topic 2 極微弱光による物質の制御
次世代の通信技術として期待される量子情報通信においては、光子が唯一の実用的な通信媒体であると考えられています。
光子で別の光子を直接制御できれば、光子により伝達された量子情報を効果的に処理することができるでしょう。
しかしながら、このような光子同士の直接的な相互作用は原理的に起こすことができません。
そこで、物質を介して光子同士の実効的な相互作用を起こすことが考えられますが、
そのためには、まず光子によって物質の光学特性に有意な変化を引き起こさなければなりません。
通常は、このような変化を引き起こすためには高強度の光が必要であり、単一の光子のような微弱光では不可能です。
そこで、当研究室では、反射率の非常に高い鏡を利用した光共振器中における物質と光子との強い相互作用を利用することで、
単一光子や、光子の存在しない空間に存在する「真空ゆらぎ」による物質の制御および、
それらを応用した様々な量子デバイスの実現を目指しています。
Topic 3 微弱な生体発光の分光
当研究室では、本学情報理工学研究科基盤理工学専攻化学生命工学プログラム仲村研究室および牧研究室で発見された 新奇な生体発光現象の機構の解明に向けて、同研究室と共同で、マウスの肝臓からの微弱な生体発光の分光を目指した 測定装置の開発を行っています。